植物生存戦略よもやま話〜葉の色編〜

 

以前キャンプをしていた時に、
やることもなくなり、
ただぼーっと景色を見ながら
コーヒーを飲んでいると、

自然はなんでこうなんだろう、的な
疑問が色々と出てきた。

もちろんギアを愛でるのも楽しいけれど、
今回は自然を感じるという
基本的なところに立ち戻り、

そういった些細な疑問を
一部ピックアップしながら、
ゆるく、深掘りしていこうと思う。

それでは今回もよろしくお願いします。

存在するには意味がある

自然はなんでこうなんだろう、というと

例えば、葉がなぜ緑だったり、
葉の形がなぜ様々だったりetc、、、

私はそれらには必ず意味がある、
と思っている。

植物や動物がその姿形で
存在しているのは
必ず理由があって、

それがベストであり、
生物の生存戦略だと思うからだ。

事実、名古屋の街で見た紅葉と
森で見たそれは随分大きさが
違ったのを覚えているし、
(都会の方が小ぶりだった)

その土地や気候によって
異なった育ち方をすることから

そういった積み重ねが
種の分岐などにも
つながっているような気がした。

葉はなんで緑色?そもそもの色の見え方

話が長くなるといけないので、
とりあえず本題に入るw

今回は葉の色に絞って
話していこうと思う。

私も疑問が初歩的すぎて
◯HKのEテレのような
雰囲気に戸惑いを隠せないが、

調べてみると結構
面白かったので、
ぜひここで紹介させてほしい。

色を感じる仕組み
(画像出展:https://ironokoto.com/what-is-color)

 

その前に、そもそも人間が色を感じる
仕組みを説明したい。

全ての物体の色は
可視光という赤から紫までを
含んだ光が物体に当たり、

その物体が可視光の中から
一部の色を吸収して、
それ以外の吸収されなかった
色の光が反射し、

その残った可視光が私たちの
目に届いている、といった仕組みである。
(結局文字より、絵がわかりやすいw)

だから、植物が緑色に
見えるというのは植物が光合成の際に
緑色の可視光を吸収せずに
反射しているから、ということになる。

葉は黒色ではないのか?

ではなぜ、
植物は緑色の光を用いないのか?

そもそも光の吸収だけを考えると
全ての色を吸収した方が
良いような気がする。

その理論が正しければ、
可視光を効率よく全て吸収して、
葉は黒色に見えるはずである。

(絵の具でいろんな色を混ぜる
(吸収する)と黒に近づくのと同じ)

でもそう簡単な話ではなく、
葉の緑色なのは、やはり理由があった。

黒色では効率が悪い

それは簡潔にいうと、
葉の表面と裏面全体に
太陽光のエネルギーを
届けるためだという。

葉にはエネルギーを作り出す
光合成を行うための
葉緑体という器官があり、

それが葉の表面だけでなく、
裏側にも分布している。

葉が黒色うんぬんの話に戻ると
もし葉の表面が黒色ならば、
可視光が葉の表面に
ほぼ吸収されてしまい、

全く葉の裏面には太陽光のエネルギーが
行き渡らなくなってしまう。

だから裏面の葉緑体にも光エネルギーが
効率よくいき渡らせるには
黒色は適していなかった、
ということになる。

引き伸ばしてすまないが
次の見出しでようやく緑色が効率がいい
という話に移ろうと思う。

そこまで考えるか

先の段落でなぜ
葉は緑色を吸収しないのか?
と言う表現をしたが、
実は全く用いないわけではない。

“表面で”あまり吸収
されていないだけだ。

葉緑体に含まれる
ある物質が緑色の光を
吸収しにくいらしい。
(クロロフィルという物質)

しかし、この吸収のしにくさが
植物が強い光を受けた状態でも
効率的に光合成を行うのに
一役買っている。

光合成のスピードは変わらない

実は植物は光の吸収速度の勾配に対して
光合成の速度にそこまで変化がなく、

光をよく吸収したからと言って、
光合成が早くなるわけではない。

たくさん光を浴びても
溢れたエネルギー分は熱として
放散してしまうのだ。

つまり、光は一旦取り込むけど、
処理するかどうかは別で
キャパオーバーする時は、
「やっぱ無理!」ってはね出してる感じ。
(特に葉の表面では)

この時、緑”以外”の色は表面では
溢れてしまって熱として
出てってしまうが、

表面で吸収されにくい緑色は
表面で吸収されずに葉の裏側まで届き、
葉内で何度も反射して
ようやく吸収される。

実際、強い光を当てた時には
緑の光の方が赤や紫の光よりも
光合成を進めることを突き止めたデータが
報告されている。
(文末参照)

最後に

葉の表面では赤や紫の光とかの緑”以外”の光を吸収して、
葉の裏面の葉緑体では緑の光を吸収する。

強い光を受けたときでも
葉がエネルギーを無駄にしないように
工夫していることがわかった。

そして、その結果が緑色として
私たちの目に届いている。

葉が緑色な理由は
やはり植物の進化の中で
最も理にかなった形だった。

ここまで緻密に植物が考えて
自分の体を設計していたのかと思うと
やっぱり驚く。

今後もこんな感じで
全然ゆるくはなかったが、
自然はなぜ〜的な
ハイジ思想でぼんやり考えつつ、

調べて面白かったら
続けて執筆していきたい。
(次回は未定)

それでは今回もありがとうございました。

(参考文献:https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/event/public-lecture17/pdf/terashima.pdf

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