emalia olkusz(エマリアオルクシュ)のホーローマグ

はじめに

今回は僕も愛用しているemalia olkusz(エマリアオルクシュ)のホーローのマグカップ
ベリードマグについて紹介したいと思います。

emalia olkusz(エマリアオルクシュ)とは


emalia olkuszとは1907年に創業されたポーランドのホーロー製品を製造するメーカーです。

2014年にemalia olkusz(エマリアオルクシュ)としての製品製造は終了しています。

それ以降はTraditional Polish Style(トラディショナルポリッシュスタイル)という社名に変更し現在も製品の製造を行っています。

創業から既に100年以上が経ちますが

その間同じ工場、機械、手法で製造を行っており

職人の手作業により製品が仕上げられてきました。

もちろん現在もポーランドの工場で1つ1つ手作業にて製造されています。

そして今回紹介したいのは現在販売されているTraditional Polish Style(以下TPS)のマグではなくemalia olkusz(以下エマリア)時代のマグです。

エマリアのベリードマグとは?

エマリアのマグカップの中で写真のような形状のものをベリードマグと呼びます。

まずはその特徴を紹介していきます。

ベリードマグの形状

ベリードマグは2サイズ展開で容量が250mlと350mlのものがあります。

写真のように曲線的でぽってりとした可愛らしいフォルムをしています。

この形状こそベリードマグの一番の特徴であり個人的に推したいポイントです。

ベリードマグの材質

見て分かる方もいると思いますがホーロー製です。

ホーローとは鉄やアルミ等の金属にガラス質の薬品を塗って焼き付けたものです。

そのため金属とガラス両方の性質を持ち合わせています。

メインの素材は金属のためある程度の強度を持ち、直接火にかけることも可能です。

表面はガラスでコーティングされているので色のバリエーションが多く、汚れや匂いに強い、洗いやすい等、衛生面でも優れています。

ホーロー製のキッチンウェアは機能面と見た目の美しさの両面でとても優れています。

お家でも使うのはもちろん、キャンプとの相性が良い素材です。

デメリットとして表面がガラスのため傷や割れ欠けが発生する材質ではあります。

しかしそれさえも味になっていくのが良い点でもあると思います。

また実際に3年程キャンプで使用していますが傷は増えてきたものの割れ欠けはいまだに発生していません。

割れ欠けが発生した場合、食器としての使用を戸惑う方は違う用途で使用してみてはどうでしょうか。

マグであれば多肉植物の鉢として使ってみる等、流用しても見た目的に楽しめるのがホーローの利点だと思っています。

エマリア製品とTPS製品の違い

結論から言うと前者と後者で異なる点はロゴの違いだけだと思います。

写真左側が旧ロゴ、右側が現在のロゴです。

旧ロゴから現在のロゴに変更された際にはemalia olkuszからTraditional Polish Styleに社名変更しただけで工場や製造方法は変更していません。

そのため製品の品質もほぼ同等だと思います。

実際に写真で使用した緑色のマグを比較しましたが重量や作りに違いはありませんでした。

ただ表面の色が旧ロゴの方が深い緑でつやがある感じでした。

比較数が1つだけの上、若干の違いのため個体差かもしれませんが、個人的には旧ロゴの色の方が好みです。

旧ロゴが使用されていたのは社名が変更される2014年までだと考えられます。

写真の旧ロゴ以前に使用されていたロゴも存在するようですが確かな情報がなく今回は紹介できませんでした。

そのため写真の旧ロゴが何年まで使われていたというのは分かりますが何年から使われていたというのは分かりません。

エマリアのホーローマグとの出会い

エマリアのマグにはビンテージに興味を持ち始める前に出会いました。

まだキャンプにおける自分の好きなものがよく分かっていない頃

新品とかビンテージとかは意識せず

“なんかいいマグないかなあ、、、” とgoogleで画像検索していました。

その時にたまたま見つけてぐっときたマグがエマリアのベリードマグでした。

正直一目惚れでした。

当時はエマリアなんて知りませんでした。

会社自体を知らないのですからその歴史や製品のバックグラウンドはもちろん知りませんし、なんならホーロー製品の利点さえ知りませんでした。

その後ネットで検索して旧ロゴがあることを知り

さらにテンションが上がり即購入しました。

選んだ理由は単純に見た目と直感ですが今でもキャンプには毎回持っていくお気に入りの道具です。

そこから現在製造されているものと何が違うのか、会社はどこの国でいつからある会社なのか、どんな理念をもっているのか

調べていくうちにますます好きになっていきました。

エマリアの購入がビンテージにはまるきっかけに

記事を書きながら考えていたんですがエマリアのマグの購入はビンテージにはまるきっかけの1つだったと思います。

今ではこうして偉そうに記事を書いてビンテージについて語っている僕ですがビンテージに入ったきっかけはただの一目惚れです。

でもみんなそうだと思うんです。

今の30,40,50代のビンテージ好きな大人達もたまたま若い頃

ビンテージブームや古着ブームだったから当時流行に乗ってみたとか。

ただ単に雑誌で見て気になったからとか。

ビンテージ好きな大人を見て憧れたりだとか。

きかっけはそんなもんじゃないかなと思います。

でもこれってビンテージに限らずなんでもそうですよね。

だからビンテージもそんな感覚で手を出していいんだと思っています。

エマリアのマグの好きな所

エマリアのベリードマグの好きな所についていくつか紹介したいと思います。

ベリードマグの曲線的な可愛らしいフォルム

一番好きな所は見た目です。

何しろ購入した理由が一目惚れなので、、、

写真で分かるようにエマリアのベリードマグは曲線的でぽってりとした可愛らしいフォルムです。

どこか懐かしさも感じます。

ホーローのマグはたくさんありますがこういったフォルムの物はあまりないと思います。

エマリア時代のロゴ(旧ロゴ)であること

次に前頁でも言ったように旧ロゴな所です。

つまり現在は製造されていない古いものです。

先程も言ったように現在の製品との違いはロゴだけだと思います。

旧ロゴを選択するのは完全に自己満です。

これについては後で詳しく話したいと思います。

不便な所が好き

次に不便な所が好きです。

実はこのマグ熱い飲み物を入れると持ち手も飲み口も熱くなってしまって冷めるまで飲めないんです。

いやそれデメリットでしょ?それが好きってどういうこと?って思いますよね。

間違いないです(笑)

でもこれには僕なりの理由があります。

淹れたてのコーヒーが飲めないがゆえの愛おしさ

僕がキャンプする仲間でもう一人エマリアの製品が好きな人がいます。

彼とたまにエマリアの話をすると絶対淹れたてのコーヒーが飲めないって話になります。

本当に熱くて飲めないんです(笑)

これはホーローという素材自体に原因があるのですが、どこかビンテージの道具の不便さに似通った所を感じます。

不便な所も可愛らしく感じられるというか、、、

このエピソードを書いていて思いましたが

“こいつはここがダメなんだけどそれでも好き”

“かえってそこが愛おしく感じてしまう”

そういった複雑な感情を他人と共有して嬉しく感じられることもこういったものの良い所の1つなのかなと思います。

少なくとも便利なものが溢れる新品のものではなかなか味わえない体験ではないかなと思います。
(エマリアのマグに関しては現行のものでも同じような悩みは発生すると思いますが、、、)

そんなデメリットを抱えたまま僕も先程登場した彼も3年程使い続けています。

そのくらい他に変えたくない、変えられない良いマグだと思っています。

emalia olkusz時代のロゴ(旧ロゴ)を選ぶ理由

先程も話した通り旧ロゴのものと現在のものにロゴ以外の違いはないと思います。

正直どちらを使っても機能的には変わりません。

しかし僕は旧ロゴのものを好んで使用しています。

なぜ旧ロゴを選択するのか?

先程も言ったように完全な自己満です。

これはエマリアのマグに限らず他メーカーのテントやスタッフサックなどの小物、古着等にも言えることだと思います。

僕はものを選択する際の基準として自分がそのものを所有していて、実際に使ってみて気持ちいいかどうかが一番大切だと思っています。

そこの気持ちよさを感じない方はロゴにこだわらず現在生産されている製品を購入しましょう。

その方が安く手に入りますし、もの自体に変わりはありません。

現在は生産されていない旧ロゴが入ったマグはある種の一点ものです。

そんな特別なマグで朝のコーヒーを飲んで一日のスタートを切る。

そういった行為を想像して少しでも気分が上がる方は間違いなく旧ロゴの物を購入する事をおすすめします。

シンドラーのリスト(Schindler’s List)の撮影に使用された

出典:Amazon.co.jp: シンドラーのリスト(字幕版)を観る | Prime Video

豆知識的な話になりますがエマリアの工場はシンドラーのリスト(Schindler’s List)という映画の撮影に使用されました。

映画シンドラーのリスト(Schindler’s List)とは

シンドラーのリストはスティーヴン・スピルバーグ監督が監督を務め1993年に公開された映画です。

舞台は第二次世界大戦時のポーランド。

当時ナチスドイツによるユダヤ人の組織的大量虐殺(ホロコースト)が進んでいました。

ドイツ人実業家のオスカー・シンドラーは戦争で一儲けしようと

ポーランドのクラクフという町のホーロー工場を買い取り

安く雇える労働力としてユダヤ人を雇いました。

当初はユダヤ人を労働力としてしか見ておらず私腹を肥やすことにしか興味がなかったシンドラーですが

目の前で殺され迫害されていくユダヤ人たちを目にしていくうちに心境が変わっていきます。

最終的には私財を全て投じて1000人以上のユダヤ人を自身が経営する工場に必要な生産力だという名目で

絶滅収容所送りを阻止し命を救った実話を描いた作品です。

シンドラーの工場として登場したのがエマリアの工場?

映画の説明が長くなりましたが作中でシンドラーが経営するホーロー工場の撮影に使用されたのがエマリアの工場です。

当時シンドラーの工場はポーランドのクラクフという町にあったそうです。

エマリアの工場はそこから40km程離れたオルクシュという町に存在しています。

またエマリアの工場は1907年から変わらない姿で稼働し続け、映画の舞台となった第二次世界大戦時にも存在していました。

おそらく映画の舞台と同じポーランドに存在し、現在も稼働しているホーロー工場で当時の佇まいを残しているため映画の舞台として採用されたのではないかと考えられます。

僕はエマリアの存在を知ってからこの映画の存在を知りました。

実際に見てみましたが扱う題材が残虐であり、実話を元にした映画ということで複雑な心境になりました。

そんな感想の次に思ったのは映画の舞台となった第二次世界大戦時にもエマリアは存在していたんだよなあということです。

当時も工場が動いていたのかどうかまでは分かりませんが大戦前から大戦を超えて現存していることは確かな事実です。

映画のテーマとなったドイツによるユダヤ人のホロコーストは歴史的にもかなり有名な出来事です。

先日もホロコースト関連の資料を公開しているゲルナウ・アウシュビッツ博物館にコロナウイルスの影響で全身消毒ゲートが設置されたことで話題になりました。
(なぜ話題になったのか気になる方は調べてみてください)

そんな出来事のさなかにもエマリアは存在していたのだと思い

こんなことを言っていいのか分かりませんが何か感慨深く感じました。

古い時代を舞台にした映画を見ているとビンテージ好きな人が “おっ” と感じるようなものが登場することがあります。

登場人物がファイヤーキングのマグを使っていたり、戦争映画であれば今は名作と呼ばれ高値で取引されるような服を兵士達が身に纏っていたり

映画のメインテーマにプラスして違う側面からも楽しむことができます。

こういった楽しみ方ができるのも古いものを好きでよかったと思う瞬間です。

最後に

映画の話が長くなってしまいましたがエマリアのマグの紹介は以上です。

途中このマグは不便だけどそこがいいというような話をしました。

不便さを遥かに上回ってエマリアのマグを気に入ってしまっているんですね。

これはビンテージのものに似ている気がします。

ランタンでもLEDを使えばワンタッチで簡単に明るさを得られるのにわざわざ古いガソリンランタンを使うがい人がいます。

服も最新のものを買えば軽くて丈夫で温かいものがあるのに重くて所々リペアされていてそんなに温かくない古着を着る人がいます。

僕は車やバイクには詳しくありませんが今の車よりも昔の車の方が壊れやすいはずなのに好んで古い車を選ぶ人がいます。

これはそれだけそのものに惹かれているからだと思います。

多少の不便さはあってもそれ以上に惹かれてしまう

そう感じられるものを取り入れた生活はとても豊かなものであると思っています。

そしてそういったものに出会えたこと自体がとても幸運なことだとも思います。

便利なものが溢れている現代だからこそ生活や趣味の一部に不便だけど使いたくなるものを取り入れるのはありではないでしょうか。

エマリアのマグが皆さんにとってそういう存在になれば幸いです。

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