はじめに
ビンテージランタンといっても年代やメーカーによって様々なものがあります。
その中で私がおすすめしたいモデルについて少しずつ紹介していきます。
今回は初回ということで私の記事で何度も登場しているColemanの200Aについて紹介します。
200Aについては以前もビンテージランタンの王道 Coleman 200Aという記事を書いています。
既に記事で書いている情報と重複する部分もありますがご了承下さい。
製造年
まずはColeman 200Aの製造年について
そもそも200Aは200というモデルの後継機です。
200の製造が1950年に終了し、その後継機として1951年~1984年まで製造されました。
Colemanのシングルマントルランタンとして一番長く製造されたモデルではないでしょうか。
特徴・外観
真夜中の太陽と呼ばれている200Aですが、その名の通り真っ赤なカラーリング
いやらしい赤ではなくどんなサイトにもなじみやすい赤色です。
丸みを帯びたクラシックなフォルムで現行の道具ともヴィンテージの道具とも親和性の高いデザインです。
現在Colemanから販売されているランタン286Aやノーススターと比較してみましょう。


286Aやノーススターはいかにもキャンプ道具らしい無骨さのあるデザインですね。
こうして見比べると改めて200Aって格好いいなあと思ってしまいます。
一見可愛らしさが目立つ200Aですがキャンプ道具らしい、何よりアメリカらしい無骨さも兼ね備えた、個人的にぐっとくるデザインです。
ランタンとして使っていない時にさらっと置いておくだけでも絵になる。
今から70年ほど前に考えられたデザインですが古臭さは感じられません。
時代的背景
わざわざ言われなくても分かるよ!と思うかもしれませんがColemanはアメリカの会社です。
もちろんColemanの200AもUSA製です。(Canada製の個体もありますが、、、)
200Aが発売された5,60年代のアメリカでのキャンプシーンはどのようなものだったのでしょうか?
アメリカの歴史的背景を踏まえて話したいと思います。
1950年代と言えば第二次世界大戦の終戦直後ですね。
戦後と聞くと当時の国はボロボロだったんじゃない?
ランタンなんか使わないんじゃない?
そもそもキャンプなんてやってたの?と考えてしまいます。
しかし第二次世界大戦ではアメリカは戦地にならなかったため本土へのダメージが少なかったこと。
また大戦中にイギリス等に物資の売却や貸出を行っていたためある程度の余裕があったこと。
この2点から戦後のアメリカはある程度の余力があったのだと考えられます。
事実1950年代のアメリカは経済的に活気があった時代です。
人々の生活にもある程度の余裕ができ自動車を所有する家庭も増えました。
アメリカでは1920年代頃にオートキャンプブームが起こりましたが、その理由も自動車を所有する家庭が増えたことです。
1950年代にも同様の現象が起こり、休日の過ごし方としてオートキャンプという選択をする人が増えたのではないでしょうか?
現在のキャンプの楽しみ方として
キャンプ+登山、キャンプ+釣り、キャンプ+フェス等といったキャンプとレジャーを組み合わせて楽しんでいる方も多いと思います。
当時のアメリカでも同様にキャンプ+ハンティングという遊び方が主流だったようです。
休暇にハンティングをするためにキャンプ道具を車に積め込み、ハンティングジャケットを羽織り森に出かける。
その道具の中に200Aも入っていたと考えるとわくわくしませんか?
また今200Aを持っている方はキャンプの際にハンティングジャケットを着てみてはいかがでしょうか?
もしかしたら昔の持ち主も同じ格好をしてハンティング+キャンプを楽しんでいたのかもしれない、、、
そんなことを考えながらキャンプをするといつもと違った楽しみ方ができるのではないでしょうか?
200Aモデル変遷
最初に紹介した通り200Aは1951年~1984年までの33年間製造されていました。
その33年間で8回モデルチェンジが行われました。
各モデルの製造された年代、特徴、変更点について写真を交えて説明していこうと思います。
色々とごちゃごちゃ書いていますが各モデルの写真を見るだけでも楽しめると思うので写真だけでも是非見てみてください。
各部名称についてはランタンの各部名称を知っていますか?でまとめていますので知らない単語が出てきたら参考にしてみてください。
クリスマス 1951年6月~11月
製造年 1951年6月~11月
ベンチレーターの色は赤色です。
ベンチレーターの種類はハイベンチと呼ばれるもので、後期のモデルに取りつくベンチレーターと比べると縦長です。
フレームに黒の塗装がされています。
カラーの材質は鉄です。(カラーは後期のモデルではアルミ製になります。)
タンクは緑色に塗装されています。
デカールがある個体とない個体が存在します。
ベンチレーターが赤、タンクが緑とクリスマスを連想させるカラーリングのためクリスマスと呼ばれています。
ブラックバンド
製造年 1951年11月~1953年6月
このモデルからタンクの塗装は赤色に変更されています。
デカールはColemanのロゴが黄色の枠で囲まれたものです。
カラーが黒く塗装されるのはこの年代のモデルだけのため、ブラックバンド等と呼ばれています。
イエローボーダー
製造年 1953年~1961年
フレームが黒塗装からメッキ塗装に変更になります。
1955年からカラーの材質が鉄からアルミに変更されます。
タンクの塗装は赤色のままですが、この年代の赤塗装は全体的に明るく感じます。
1959年後半にポンプキャップの固定方法がネジ止めからDリングに変更されます。
これ以降のモデルは全てDリングでの固定となります。
この年代のモデルは、デカールが黄色の枠で囲まれていることからイエローボーダー等と呼ばれています。
バーガンディー
製造年 1961年~1962年
これ以降カラーの材質はアルミになります。
タンクの塗装が全体的に濃いワインレッドに変更されます。
当時血の色に似ていて不吉だということで人気が無く、すぐに塗装は変更されました。
そのため個体数が少ないです。
デカールはColemanのロゴが赤色の枠で囲まれたものです。
この年代のモデルは、タンクとベンチレーターの色からバーガンディーと呼ばれています。
チェリーレッド
バーガンディから次のモデル(レッドボーダー)への過渡期に存在したモデルです。
タンクの塗装がバーガンディーよりは薄く、これ以降のモデルよりは濃い赤です。
サクランボのような濃い赤を彷彿とさせるためチェリーレッドと呼ばれています。
レッドボーダー
製造年 1963年~1964年
タンクの塗装は元の明るい赤色へ戻ります。
デカールは変更がなくColemanのロゴが赤色の枠で囲まれたものです。
この年代のモデルは、デカールが赤色の枠で囲まれていることからレッドボーダー等と呼ばれています。
パテペン
製造年 1965年~1970年
デカールは、Colemanのロゴが白色の枠で囲まれ、その下にpatent pendingと書かれています。
patent pendingとは特許出願中という意味です。
おそらく当時Colemanが商標登録をしていたのでしょう。
この年代のモデルは、デカールに書かれた文字 “パテントペンディング” からパテペンと呼ばれています。
The RED 最終期前半
製造年 1970年~1974年
デカールは、Colemanのロゴが白色の枠で囲まれたものです。
patent pendingの文字は消えています。
写真にはありませんが1974年後半からカラーに注意書きが明記されます。
この年代のモデルは、特に名称はつけられていませんが、The REDと呼ばれる赤い200Aの最終期前半のモデルとなります。
The RED 最終期後半
※写真まだありません!!!
製造年 1975年~1979年
バルブホイールが黒色に変更になります。
この年代のモデルは、特に名称はつけられていませんが、The REDと呼ばれる赤い200Aの最終期後半のモデルとなります。
グリーン200A
製造年 1980年~1983年
これまで一貫して赤色でしたがこのモデルのみ緑色になります。
この年代のモデルは、特に名称はつけられていませんが、ベンチレーターとタンクが緑色の200Aはこのモデルのみです。
最後に
200Aについては既に他の記事でも散々話しているため、いい加減にしろと思われるかもしれません。
それでも本当に良いランタンだと思うので紹介しました。
こんな感じで自分が良いと思えるものだけを少しづつ紹介していければなと思っています。